ゆく年、 くる年。 
 
31日の大晦日に母と「紅白歌合戦」を見ていました。 
「紅白」をずっと見ていると、その勝敗の行方はかなり、予想がつくものです。 
  「やはり今年は白組のほうかな」と思うと、本当に白組が勝つ。 
  白組の司会者みのもんたに優勝旗が手渡たされ、蛍の光の合唱により紅白は終わります。  
 …と次の瞬間。テレビの画面は静寂に包まれます。そう「ゆく年くる年」が何の前触れもなく始まってテレビの画面は寺の風景に切り替わる。私は、「ゆく年くる年」に切り替わった瞬間の静寂が大好きです。 
いよいよ本当の年の終わりが近づいてくているという実感が湧いてくるのです。 
  民放と違い「新年へのカウントダウン」のないNHK方式の年明けがやけにしっくり来るのです。 
  「ゆく年くる年」は旧い年と新しい年をつなぐ、いわばのりしろのような役割をしている番組なのです。 
この番組がなかったら、果たして私は安心して年を越せることができるのでしょうか。 
  「ゆく年くる年」が終わって夜の道に出てみると、初詣に行く人がちらほら歩いている。 
既に「くる年」にとってかわたれてしまった「ゆく年」の後姿がとこかにチラとでも見えないかと探してみますが、もちろんそんなものが見えるわけは、ないのでした。 
 
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