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鳥井閑の小説

鳥井閑の小説(1)セカンドライフ
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 人は誰でも今の自分とは違った人生に憧れる。ある者は賢帝になって税金も戦争もない理想の世界を作ってみたくなる。ヨン様に恋される夢をみる女性もいる。仮想世界(セカンドライフ)に行けば、夢が実現するかも知れない。
  仮想世界に入らなくても、誰にも現役引退後のセカンドライフが待ち受けている。そんな年代に差し掛かった西本達は、ふとしたきっかけで俳句の会を始めることになったが、そこに至るまでには偶然と奇縁が重なり合っていた。

(以下本文28頁より)
  「何だ、『香織』でも『MOE』でも三人はつながっていたのか。俺達は仕事は一緒にやった事はなかったけど、似たような場所で動いていたんだ。結局は狭い水槽の中で泳ぎ回っていたんだな」
  傍で黙って聞いていた吉川が大き目のメモ用紙を貰うと、二つ折りにし、ポケットから取り出した万年筆で、上の段に小さな円を二つ描き、下の段には大きな円を二つ描いた。大きな円の方は一部が重なり合っており、その部分に斜線を引きながら言った。 
「人は活動の幅を広げると、世間は狭くなるってことかな」

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